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みんなのレストラン

こどものせかい 2020年9月号

加藤潤子・絵と文 至光社

レストランには、たくさんのひとがいます。お料理を作る人、準備する人、給仕する人、食べに来る人…。
男の子とのあたたかい交流のなかで、待つ・迎える・ひとつひとつ丁寧に心をこめる―その大切さが伝わってきます。

みんなのレストラン 至光社こどものせかい 2020年9月号
ちいさなひろば - 2020年9月号掲載
みんなのレストラン

神の子イエスさまは二千年前のある日、この世に来て下さいました - Merry Christmas!
そして私たちの罪を贖うために十字架上で死なれ三日後に復活されました。今、天の御座におられる主イエスさまは、もう一度、この地上に来ますよ!と仰いました。私たちはイエスさまが再び来られる日を待ち望んでいます。” 待つ人 ”に思いを巡らせていたら”Waiter””Waitress”と呼ばれる” 待つ人 ”がいるではありませんか。
そんなわけで、レストランが舞台の絵本になりました。
待つことは、楽しいですか? 不安になりますか? 誰を待っていますか? その方を信頼していますか? なかよしですか?
ゆうくんが探して見つけた宝物。待っている人と探している人との出会いは、喜びに溢れるのではないでしょうか。レストランはお客さまが来られるのをいつも待っています。

​加藤潤子

この絵本をめくりながら
武市晴樹

​ 小川のほとりに建つ素敵なレストランで、開店の支度にいそしむウエイターとウエイトレス。その語源は、英語の”Wait”に”er”をつけたもので、「待つ人」という意味があるそうです。

 準備万端整ったレストランに現れたのは、せせらぎで何かを熱心に探していた小さな男の子。お腹の鳴る音に気づいたウエイターに招かれ、はじめてこのレストランでおいしいオムライスと、家族で栽培した赤カブのスープをごちそうになり、幸せな気分でいっぱいになります。

 「ウエイターとウエイトレス(待つ人)」は、受け身で指示どおりに仕事をこなすというよりも、目の前の人を想いやる「愛」をもって主体的に働いていたように思います。そしてその「愛」を受け取った小さな男の子は、大切な物を差し出すことで、自分なりの「愛」を返しました。

 作者が最後に記した「わたしはすぐにきます」というイエスさまの言葉の意味は、こうして私たちが暮らしの中でさまざまな「愛」を積み重ねることによって、徐々に解き明かされるのではないでしょうか。

 何故なら、私たちが決して安楽ではない日常の中で紡いでいる「愛」そのものがイエスさまなのですから。

※『ちいさなひろば』は、こどものせかいについている、おとうさま、おかあさま、先生がた向けの冊子です。絵本の作者による「絵本づくりの仕事場より」のほか、編集者の方などによる「この絵本をめくりながら」、エッセイなどが綴られています。

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