2024年度なつやすみのはなたば
まいごになった1ぴきのひつじ
絵・加藤潤子
おいのり・景山あき子
おうちのかたへ・細井保路(カトリック司祭)
至光社
定価 375円(税込)
幼稚園・保育園児向けのワークブックです。イエス様がしてくださった迷子の羊のたとえ話をもとに制作しました。
描く、貼る、切る、折るなどの制作あそびを、親子いっしょにお楽しみください。
なつやすみのおわりには世界に1冊の”絵本”ができあがります。
なつやすみ期間のカレンダー付き / 7月8日〜9月1日
サイズ:たて 210mm × よこ 257mm
本文:12ページ
【 至光社さんのサイトからご注文いただけます 】
https://www.shiko-sha.co.jp/news/n104953.html
お申し込みしめきり日 2024年6月末日
おうちのかたへ
『まいごになった1ぴきのひつじ』のお話は、聖書のマタイ福音書18章に書かれているたとえ話です。イエスさまは、神さまがいつも共にいてくださることや、私たちがいただいている恵みに気づくことの大切さを、いくつものたとえ話で語られました。これはその中の代表的なお話しです。ひつじかいさんがどれほど羊を大切に思っているかを、子どもたちは感じ取ってくれるはずです。そして同時に、ひつじかいさんと同じように本気で愛してくれて一緒にいてくれるおうちの人たちがいることも感じるのです。
大人の私たちは、子どもの成長の同伴者であり目撃者です。新しいことに出会っていく子どもたちのことを考えるたびに、親は、子ども以上にハラハラしてしまいます。でも、もっとわが子の内に備えられている力を信じましょう。そして、どんなときも、わが子の成長を見届け、共に喜び、密かに感動し、その子の人生に同伴する大人であり続けましょう。
カトリック司祭 細井保路
あとがき
昨年にひきつづき、今年も「なつやすみのはなたば」のワークブックを作ることができて、とても嬉しいです。
お題となったテーマは、私のデビュー作「まいごのミーミ」(至光社)と同じところ。かれこれ17年も前に作った絵本ですが、私にとっては古くならない、原点となる絵本づくり。今も新鮮な、絵本づくりのはじまり♪
今さらながら気づいたことは、聖書の中で迷子の羊のたとえ話は2箇所ありました。どちらも同じようですが、前後に書かれているみことばが違っているので感じ方もかわってきます。これまで、私はルカの福音書の方ばかりを読んでいました。3つのたとえ話がセットみたいに書かれています。1つ目は迷子の羊です(迷子といわずに「なくした」と書かれていますが)つづいて、銀貨を失くした女性、放蕩息子のたとえ話へとつづきます。イエス様はこのたとえをパリサイ人、律法学者たちに話されました。
マタイの福音書の方は、迷子の羊のたとえの前後に、いろいろな事柄についての教えが書かれていて、イエス様がわかりやすく教えてくれています。イエス様は「天の御国では、だれが一番偉いのでしょうか。」とたずねてきた弟子たちに話しています。
どちらにしても、偉い人、偉くなりたいと思った人にイエス様が話されたお話なんですね。この「偉そうな」気持ち、私のなかにもありますとも。迷子になった1匹の羊の気持ち、残された99匹の羊たちの気持ち、そして羊飼いさんの気持ち、全部、私のなかにあるな〜と思います。イエスさまの前では、隠したり無理したりして、いい子になる必要がない。まったくない!そのままの姿で「ああ、これって私だ〜ごめんなさい!」って言いに行く。
そうしたら、大喜びで迎えてくださる、イエス様です。
あなたがたはどう思いますか。
もし、だれかが百匹の羊を持っていて、そのうちの一匹が迷い出たとしたら、
その人は九十九匹を山に残して、迷った一匹を捜しに出かけないでしょうか。
そして、もし、いたとなれば、まことに、あなたがたに告げます。
その人は迷わなかった九十九匹の羊以上にこの一匹を喜ぶのです。
このように、この小さい者たちのひとりが滅びることは、天にいますあなたがたの父のみこころではありません。
マタイの福音書18:12-14
そこでイエスは、彼らにこのようなたとえを話された。
「あなたがたのうちに羊を百匹持っている人がいて、そのうちの一匹をなくしたら、
その人は九十九匹を野原に残して、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないでしょうか。
見つけたら、大喜びでその羊をかついで、帰って来て、友だちや近所の人たちを呼び集め、
『いなくなった羊を見つけましたから、いっしょに喜んでください。』と言うでしょう。
あなたがたに言いますが、それと同じように、ひとりの罪人が悔い改めるなら、
悔い改める必要のない九十九人の正しい人にまさる喜びが天にあるのです。」
ルカの福音書 15:4-7
加藤潤子
2024年5月